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工学部佐々木成朗講師の日刊工業新聞記事

試料表面ナノ構造物 非接触AFM像 原子レベルで解析
成蹊大と東大 観察前の予測も可能

成蹊大学の佐々木成朗講師、東京大学の渡邊聡助教授、塚田捷教授らのグループは、試料表面につくられたナノサイズの構造物の非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)像を原子レベルでシミュレーションする技術を開発した。この方法を用いると、NC-AFMの探針と表面との間に働く相互作用の定量的な理論計算を高精度で行える。観察結果の解釈だけでなく、観察前の予測にも利用でき、ナノサイズの微細加工ヘの応用、表面ナノ構造の力学的特性の解明などに役立ちそうだ。

ナノサイズ微細加工へ応用
この研究は科学技術振輿事業団「さきがけ21」の一環。NC-AFMは表面に探針を数オングストローム程度まで近づけて観察する。このとき探針の影響が極めて大きくなり、表面の変形や凝着などが起こるため「針先とナノ構造物との間に働く相互作用をきちんと理解しないといけない」(佐カ木講師)。
そこで、温度や探針の形、原子の種類など観察結果に影響を与えるあらゆる要素をシミュレーション技術に盛り込んだ。このため、さまざまな条件の観察結果に対応でき、半導体、金属、絶縁体を問わず、実際のNC-AFM像を再現するシミュレーション像が得られる。今後は生体表面のシミュレーション像も得られるよう研究を進める。
シリコン基板上に形成した銀の単層薄膜に探針を近づけたときの銀原子の振る舞いをシミュレーションした。室温条件と絶対零度近くの極低温条件下でシミュレーションしたところ、両者でまったく異なるシミュレーション像が得られ、銀原子の熱的な揺らぎの有無が原因と予測できた。
この予測は大阪大学の森田清三教授、菅原康弘教授らのグループが実際にNC-AFMで観察した結果と一致し、シミュレーションの精度の高さを裏づけた。

日刊工業新聞 2003年9月8日 朝刊5面
(日刊工業新聞社の転載承諾済)

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