成蹊探訪

成蹊探訪 34

供養塚

 大学1号館南側脇の柿の木の下にひっそりと「供養塚」と書かれた碑が建っています。裏面には「昭和十三年秋 文英書」 と刻まれており、この碑文は、旧制高校で歴史・地理を担当していた南條文英先生が書かれたものです。
 大学1号館は当時「理化館」と呼ばれ、主として旧制高校で使用していましたが、この供養塚は、理化館3階中央部分を理科の授業で使用していた小学校が建立したものだということです。
 当時一般の小学校では、低学年に「理科」の授業はありませんでしたが、成蹊小学校では既に理科に相当する「自然科」が設けられていました。
 当時も小学校では飼育教育に重点がおかれ、飼育小屋ではうさぎや鶏、教室内では水槽動物や蚕を飼い、また供養塚の前には、自前で造った長方形のコンクリート製の池があり、深さもそれぞれの水生動物が住みやすいように三段式にして、そこで魚、亀、蛙等を飼っていました。
自然科での実験動物供養のためだけではなく、動物に親しむという自然教育を通して培われた動物への愛情、生命を尊ぶ小学生・教職員の美しい心が供養塚の建立につながったものと思われます。
 この供養塚は、まさに小学校における「自然科教育」の記念塚ともいえるものです。
[「職員だより」第4号(1984年) 「キャンパス散歩一供養塚」より:企画課要約]

※現在、工事事務所が設置されているため、しばらくの間供養塚を見ることはできません。
供養塚

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