お知らせ

成蹊大学2003年学位授与式  岸理事長 祝辞

卒業生の皆さん、本日はご卒業おめでとうございます。
ご家庭の皆さまにおかれましても、さぞかしお慶びのこととお祝い申し上げます。皆さんが学ばれたこの成蹊学園は、学園を創設された中村春二先生の「人格を陶冶し、個性を伸ばす」という方 針に従いまして、永い歴史と伝統を培ってきた学園であります。
恵まれた自然環境と多くの先生方や友人のなかで、皆さんはこの4年間、各自が選択された専門分野について、旺盛な知識欲と好奇心をもって勉学に励まれ、また、クラブ活動にも積極的に取り組みながら、充実した大学生活のなかで、大いにその人格を磨かれてきたことと思います。
これから大学院に進学し、さらに研鑚を積まれる方もおられるわけでありますけれども、多くの皆さんは学生時代という準備期間を終えて、社会人としての生活に入っていくこととなります。
つまり、卒業は人生のなかの大きな節目であり、社会人として生きるスタートラインになっているわけであります。そして、卒業を境にして、それぞれ違ったコースを歩んでいくこととなります。
これからの道程は、人によって職業も住む地域も異なるでしょう。また、生き方も多様でしょう。しかし、自分の人生の生き方をどのように作っていくかを決めるのは、皆さん自身であり、それは一人ひとりの責任です。このことをしっかりと心に刻みつけていただきたいと思います。
ところで、皆さんがこれから生きていく時代は、これまで以上に激しい変化が予想されます。国際化はさらに進み、科学技術も新しいものをさらに生み出していくでしょう。しかし、こうした変動の時代は、同時に新しいものが作り出される創造の時代でもあり、その点で、皆さんはこれまでの枠にとらわれることなく、社会人としての新たな生き方を作っていく可能性を持っているのです。どうか卒業生の皆さんには、自己をしっかりと見つめ、どうしたら社会のために役立ち、自らの能力を最大限に発揮することができるかを常に考えながら、それぞれの分野で自らの可能性に挑戦していただきたいと思います。皆さんには、これからまもなく諸先輩の仲間入りをして、社会に貢献されるわけですが、成蹊学園の卒業生であるという誇りを持ち、これまで蓄えてこられた力を十二分に発揮してご活躍いただきたいと思います。
成蹊学園には卒業生の団体として、社団法人成蹊会という組織がございます。皆さんには、学園で得た貴重な人間関係を成蹊会を通じて維持発展させ、また、学園とのつながりも続けていってください。成蹊会では、さまざまな会合を全国各地あるいは業種、業界別など定期的に開催しておりますけれども、成蹊学園に対する後援および助成も併せて行っていただいております。これからは、皆さんも成蹊会の会員として、学園の発展をご支援していただければ幸いであります。
最後に、卒業生の皆さんの社会人としての門出を重ねて祝し、今後のご健康とご多幸を心からお祈りいたしまして、私のお祝いの言葉といたします。本日は誠におめでとうございました。

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