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成蹊探訪「岩崎小弥太元理事長レリーフ」

なかむらはるじ

成蹊学園創立者中村春二先生の胸像と相対し、本館前東側の桜並木に沿って、岩崎元理事長のレリーフが建っています。
岩崎氏は中村先生の同窓として東京高等師範学校附属中学、第一高等学校、東京帝国大学へと進みましたが、途中で東大を退き渡英、ケンブリッジ大学に学びました。帰国後三菱合資会社の副社長に就任、中村先生の教育事業を知るや、成蹊教育の精神に共鳴し、明治40(1907)年1月に賛助員として参画しました。大正13(1924)年に中村先生が逝去されましたが、その後もなお学園理事長の職にあって成蹊学園の柱石として尽しました。岩崎氏は終戦の年昭和20(1945)年12月2日に66歳で逝去されましたが、成蹊園創設時より実に39年間に亘り中村先生を支え、成蹊教育を支え続けました。
この岩崎氏の「徳を偲び感謝の誠を捧げよう」と、学園創立50周年記念事業の一つとしてレリーフ建設が企画されました。僅か2か月という短期間のうちに目標額の100万円を超える募金の申込がありました。芸術院会員の北村西望氏の製作によるレリーフの除幕式は昭和34(1959)年11月23日(大学創立10周年記念式典当日)に行われました。
学園史料館開催の「岩崎小弥太書簡、遺墨展」(3月末まで)では、中村先生と岩崎氏とがお互いに尊敬し、厚い信頼関係で結ばれていたことを窺い知ることができます。

【文:成蹊会 高橋章建】
ZELKOVA No.36より

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